日本頭頸部外科学会

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平松 真理子 - 私のキャリアパス

平松 真理子(名古屋大学病院耳鼻咽喉科)

※所属は掲載日のものです

私は初期研修医終了後、大学関連病院にて耳鼻咽喉科医として勤務し、卒後6年目に大学へ帰局しました。大学に帰局した際「君、腫瘍班ね。」といわれ、「わかりました。」と返事をした時から私の頭頸部がん専門医としての人生が始まりました。20代から30代前半にかけては、頸部郭清術ができるようになりたい、次は喉頭全摘、次は舌亜全摘、次は、、とひたすら手術がやりたくて毎日を突っ走っていたように思います。と言っても、私は、最初から手術が上手にできたわけでなく、上司には「あいつは本当に手術が下手だ。」とよく言われたものでした。うまくいかず悔し涙を流したこともありました。

私は32歳で結婚し、34歳で双子を出産しました。ちょうど卒後10年目で色々な手術の執刀ができるようになっており、復職は産後2か月後でした。復職後は全てにおいて戸惑い、職場では今まで通りに仕事ができないジレンマにさいなまれ、家に帰ったら中途半端な育児に対して自己嫌悪に陥る・・・そんな苦しい時期が続きました。何度も仕事を辞めようかと思った事がありましたが、大学の医局や腫瘍グループの先生方のサポートがあり、辞めずに続けることができています。学会を通じて知り合った他大学、他地域の先生方に悩みを相談したこともありました。結局は手術が好きで、仕事が楽しかったのだと思います。

産後復帰した2年後に頭頸部がん専門医を取得しました。子供が5歳の時に医局長となり、臨床以外にも人事や学会運営などのマネージメントに携わった経験は私を人として成長させてくれるきっかけになったと思っております。

まだ子供が手を離れておらず、今だに育児と仕事の両立に悪戦苦闘中ですが、鏡視下手術など得意とする分野を持ちつつ、後進の指導にも努めています。後輩が上手にオペを完遂する事は私自身のモチベーションにもつながります。

これから耳鼻咽喉科医・頭頸部外科医を目指そうと思っている先生方に私が伝えたいことは、頭頸部は奥深いということです。手術はがんを取る事だけを考えていてはうまくいかず、音声、嚥下、見た目、精神的ダメージなど多くの変化について考えながら治療方針を決めなければなりません。そこが頭頸部外科の面白いところです。治療は手術だけではなく、放射線治療、薬物療法、緩和治療など多岐にわたります。すべてを一人で網羅することは難しく、チームでの治療が大切になります。私自身もチーム医療だからこそ仲間に支えてもらい、時には支えながらこれまで育児と仕事の両立できました。

皆様もこの頭頸部がん治療の仲間になってみませんか?


2020年9月現在の名古屋大学病院頭頸部チームメンバーとともに(助教5名、医員2名、専攻医3名)


著者手術中 ELPSを消化器内科医と合同で


第27回日本頭頸部外科学会総会ならびに学術講演会パネルディスカッション(男女共同参画企画)大会長、座長、演者とともに

http://www.jibika.or.jp/members/sankaku/seminar_170203_4.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjshns/27/2/27_161/_pdf/-char/ja
https://youtu.be/vvinYeubkq4

略歴

  • 学歴
    2001年川崎医科大学卒業
    2011年名古屋大学医学部大学院修了
  • 職歴
    2001年4月~2003年3月 中部労災病院初期研修医
    2003年4月~2004年3月 中部労災病院耳鼻咽喉科
    2004年4月から2006年3月 公立陶生病院耳鼻咽喉科
    2006年4月から名古屋大学病院耳鼻咽喉科
    2011年4月 名古屋大学病院耳鼻咽喉科 助教
更新日時:2020年10月26日
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