日本頭頸部外科学会

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上田 勉 - 私のキャリアパス

上田 勉(広島大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

※所属は掲載日のものです

頭頸部がん専門医を目指した理由

私がまず耳鼻咽喉科を目指した理由は、もともと外科系志望であり、漠然と「耳の繊細な手術、すごいな!」、「首の手術、大胆だな!」という視覚的な部分と、大学時代に共に学び遊んでいた友人達とは違う科に行こうと思っていたためです。その為、学生時代に知らなかった?わけではないですが、耳鼻咽喉科で聴覚生理やめまいも扱うことを入局後に知りました(笑)。耳鼻咽喉科の様々な専門がある中で癌に特に興味があり、入局1年目の時に頭頸部外科学会に初めて参加した際に、全国レベルの高さと色々な病院の先生の熱意にとても感動し、耳鼻咽喉科のなかでも頭頸部外科を専門にしたいと思うようになりました。

これまでの働き方

広島大学病院で研修後に癌症例が比較的多い病院で勤務し、その後大学院に入りました。私の大学は鼻科学研究がメインでしたので、鼻の研究に携らせて頂き学位を取得しました。
再び癌症例の比較的多い病院に勤務していたのですが、癌の臨床研究に熱心な上司がいたことや以前より全国レベルの施設で勉強したいという願望があり、当時の教授である平川勝洋先生に懇願し承諾を頂き短期ではありますが、国立がんセンター東病院頭頸科で林隆一先生のもと勉強させてもらいました。(その当時既に39歳です。)その後大学へ戻り、頭頸部癌を専門に働いております。更に、これまで海外留学の機会もなく、海外留学もしたくてうずうずしていたのですが、自身が准教授として働き始めていた時に、現教授である竹野幸夫先生より、「短期間だけど海外に行ってみない?」と許可を頂きましたので、英語もろくにできないまま、英国のUniversity of Birminghamに手術見学など中心にお世話になりました。その後も癌の診療や治療に必要と思われることを見つけては勉強に励み、現在に至ってます。

頭頸部外科の魅力

頭頸部がんは人間にとってとても大切な感覚器や発声、呼吸および摂食嚥下にかかわる器官がある部分に生じます。更に顔面や頸部など露出部分への治療が必要なため、手術、放射線治療および薬物療法を駆使して、治癒を目指し、治療後の患者さんのQOLを保持する必要があります。このような頭頸部がんの治療戦略を色々考えながら、かつ自らの治療スキルを研鑽していく仕事は魅力的で生涯の仕事としてとてもやりがいがあると感じてます。今後更に進歩していく領域と確信しております。

医学生・研修医へのメッセージ

頭頸部外科の世界は全国の先生方との間の垣根が低く、容易に交流ができ、学ぶことができる環境が整っております。私の信念はいつもまでも興味を持ったことに関して勉強し続けることであり、まだまだ勉強したい私にとっても大変良い環境です。このような環境の中、少しでも教育に携わった後進たちが大きく成長してゆくのを見るのはとてもうれしいですし、更に自身も一緒に成長する原動力にもなります。
医師としての仕事は、最終的には社会貢献するための一つの方法と思います。自身の得意なことや興味あることで社会に貢献し、その結果として報酬をもらい、生活が営めることは医者冥利に尽きると思います。医学生・研修医の皆さん、是非私達と一緒に更なる頭頸部外科領域の躍進の軌跡を描きましょう。

略歴

1994年 広島大学医学部医学科卒業
1994年 広島大学病院耳鼻咽喉科
1995年 国立呉病院耳鼻咽喉科
2003年 広島大学大学院医学系研究科博士課程外科系専攻修了
2003年 呉医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科
2008年 国立がんセンター東病院頭頸科短期がん研修
2009年 呉医療センター耳鼻咽喉科・頭頸部外科
2010年 広島大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科助教
2012年 広島大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学部内講師
2018年 広島大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授
2018年 University of Birmingham, UK.(留学)

更新日時:2020年10月26日
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