日本頭頸部外科学会

医学生・研修医のみなさん

総会案内

入会案内

瓜生 英興 - 私のキャリアパス

瓜生 英興(九州医療センター 耳鼻咽喉科)

※所属は掲載日のものです

頭頸部癌専門医を目指した理由

初めて頭頸部外科の手術を見たとき、精密な機械を触っているような、繊細な工芸品を触れているような感覚がしました。 巨大な腫瘍が外れていく中、繊細な神経や血管が綺麗に残っていく手技は美しかったです 。そんな手術ができるようになりたいと思いました。

これまでの働き方

研修医(私の時代は、耳鼻科単科のストレート方式)を終え、頭頸部外科医の道を進むことを決めたとき、何を自分の武器にするか悩みました。
卒後3年目:九州大学第二病理学病室にて「外科病理」を学ぶために、大学院に進みました。頭頸部腫瘍の病理診断を学びながら、頭頸部癌の発生について研究し、学位を取得することができました。
卒後7年目:九州がんセンターにて頭頸部癌の診療に従事しました。大学院明けで、臨床の勘も鈍っており、早朝から深夜まで、勉強し仕事をする毎日でした。3年経過し責任ある仕事をさせてもらえるようになったころ、今後、チームに必要とされるには、何が足りないのだろうと考えました。
卒後10年目:所属する医局とは異なる環境・流派のもとでの経験が必要と思い、国立がんセンター東病院の門を叩きました。地方の病院によっては、月に1回あるかどうかの難しい手術を毎日のように経験できました。腫瘍内科や放射線科、病理部の先生方と一緒に仕事ができたこと、また国内外からの見学や研修、研究に来られる先生方との交流ができたことも貴重な財産になりました。ハードな職場でしたが、仕事のオンオフはきちんとしており、週末は妻や二人の子供と、上野公園や柏の葉公園で過ごせたことも良い思い出です。
卒後12年目:医局人事に戻り、JCHO九州病院で診療を開始しました。頭頸部腫瘍以外の勉強をやり直せて、診療の広がりを感じられるようになりました。
卒後16年目:九州大学病院での教育、診療、研究など経験しました。
卒後18年目:現在、頭頸部がん指定研修施設である九州医療センターで耳鼻咽喉科・気管食道科の科長をしております。頭頸部外科としては、経口腔的ビデオ喉頭鏡下手術(TOVS)を開始し、ロボット支援手術の準備を始めています。一方、頭頸部外科医の働き方を改善するためにも、他科連携、多職種連携を通じて、しっかりと学びながらも、プライベートも充実できる仕組みを作っています。

頭頸部外科の魅力

生命と機能と美を同時に求められる数少ない科の一つだと思います。腫瘍をきちんと摘出し、同時に咀嚼・嚥下や発声、呼吸機能の温存も求められます。また、服で隠すことのできない部位であり、切開縫合は最小限で美しいことが求められます。
これを診断から治療まで自らの技術で行えるやりがい、機能を温存・回復できた患者さんの喜ぶ姿を見られる幸せがあります。

医学生・研修医へのメッセージ

外科志望で、迷っている方へ、頭頸部外科手術の美しさ、繊細さを経験してみませんか?
頭頸部には、気道系、消化器系から、感覚器、内分泌系臓器、骨軟部腫瘍と多彩な組織像を持つ腫瘍が発生します。重要な血管や神経を傷つけることなく、感覚器、音声・嚥下機能を温存しながら病変を摘出していきます。時には内視鏡や顕微鏡、ダヴィンチを使用して。
美味しい食事やお酒が好きな人、おしゃべりや歌うことが好きな人、家族や仲間の笑顔が好きな人はぜひ、頭頸部外科医を考えてみてください。それを守るのが僕たちの仕事です。

略歴

瓜生 英興(うりゅう ひでおき)
国立病院機構 九州医療センター 耳鼻咽喉科

<学歴>
1999年 琉球大学医学部卒業
2004年 九州大学大学院医学系学府臓器機能医学専攻
(形態機能病理学)終了

<職歴>
1999年 九州大学 耳鼻咽喉科 研修医
2000年 北九州市立医療センター 耳鼻咽喉科 研修医
2005年 九州がんセンター 頭頚科 レジデント
2008年 国立がんセンター東病院 頭頚科 がん専門修練医
2010年 JCHO九州病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 医長
2014年 九州大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 助教
2016年 九州医療センター 耳鼻咽喉科 医師
2020年 同 耳鼻咽喉科 科長就任
現在に至る

<学位> 医学博士 九州大学

<専門医>
日本耳鼻咽喉科学会 耳鼻咽喉科専門医(2006年)
同 耳鼻咽喉科専門研修指導医(2015年)
日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医(2010年)
同 頭頸部がん指導医(2017年)
日本がん治療認定機構 がん治療認定医 (2009年)

更新日時:2020年9月1日
Copyright © 日本頭頸部外科学会 All Rights Reserved.
このページの先頭へ