アルミノックス治療(光免疫療法)について
アルミノックス治療(光免疫療法)について
アルミノックス治療(光免疫療法)は、米国国立がん研究所(NIH)の小林久隆先生により開発された新しいがん治療法です。海外における第Ⅰ/Ⅱ相試験、国内の第Ⅰ相試験、さらに国際共同第Ⅲ相試験を経て、厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定され、2020年9月に条件付き早期承認を取得しました。その後、2021年1月には、切除不能な再発・転移性頭頸部がんを対象とした治療が、世界に先駆けて日本にて開始されました。
本治療は従来のがん治療とは全く異なる革新的な治療法であることから、安全かつ適正に患者さんへ提供されるよう、学会内では厳格な施設基準(頭頸部がん認定施設)および術者基準(耳鼻咽喉科専門医かつ頭頸部がん専門医)を定め、本学会のアルミノックス運営委員会により管理してきました。そうして2024年9月までに、約220名の方に光免疫療法が実施されてきました。こうした厳密な基準の設定は、容態の変化に応じて緊急入院、緊急手術、集中治療室での管理が必要となることがあるため、極めて重要であると考えています。
保険診療において光免疫療法を安全に受けていただける病院(学会認定施設)については、以下のURLをご参照ください。
https://pts.rakuten-med.jp/akalux/institution/
なお、これらの認定医療機関以外で光免疫療法の提供を謳っている施設があるとの報告がありますが、それらについて本学会は一切関与しておりません。
また、現時点において、切除不能な再発・転移性頭頸部がん以外の疾患に対する光免疫療法の有効性・安全性は確立されておりません。
私たちは、光免疫療法を安全かつ適切に患者さまへ提供すべく、知識と経験を積み重ねてまいりました。本治療をご希望の患者さまには、学会認定の医療機関にて受診されることを、強く推奨しております。
令和7年5月12日
日本頭頸部外科学会理事長
前アルミノックス運営委員長
朝蔭孝宏