日本頭頸部外科学会

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髄様がん(ずいようがん)

髄様がんとは

乳頭がんや濾胞がんとは異なる特殊なタイプのがんで、頻度は甲状腺がんの1-2%程度です。髄様がんの一部は遺伝子が原因で家族性に発生します。副腎褐色細胞腫や副甲状腺機能亢進症など他の内分泌(ホルモン)の病気を併発する場合は多発性内分泌腺腫瘍症(MEN)と呼ばれます。

検査

当初から髄様がんを疑って検査をされることは少なく、一般的な甲状腺がんである乳頭がんや濾胞がんと同様の検査が行われます。まず外来で触診と喉頭内視鏡検査を行います。甲状腺にコブがあれば甲状腺超音波検査(エコー)を行います。超音波検査でがんの可能性があれば穿刺吸引細胞診検査を行い、がんかどうか確認します。がんの可能性が高い場合は頸部リンパ節や肺などへの転移を確認するためにCTを行います。
細胞診の結果が髄様がんを疑う場合、既に家族に髄様がんの方がおられる場合、他に内分泌の病気をお持ちの場合などは髄様がんの可能性がありますので追加検査を行います。まず血液検査を行い髄様がんに特徴的な腫瘍マーカー(カルシトニン、CEA)を測定します。次に他に内分泌の病気が無いかどうかホルモンの検査を行います。場合により内分泌内科医による入院検査が必要になります。

治療

手術

手術も一般的な甲状腺がんである乳頭がんと濾胞がんとほぼ同様です。髄様がんにおいても手術が最も有効な治療(標準治療)です。手術の詳細については乳頭がんのページを参照してください。
なお甲状腺髄様がんの手術前に副腎褐色細胞腫が見つかった場合は、先に副腎褐色細胞腫の手術を行います。褐色細胞腫が体の中にある状態で甲状腺手術を行うと、異常な高血圧や頻脈などで麻酔自体が危険になるからです。

更新日時:2020年11月5日
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